BEING AND DOING
存在意義を確立し、Leaderとして行動しよう!
理事長末松大和

理事長 末 松 大 和

はじめに

日本の青年会議所運動は、“祖国再建”の使命に燃えた日本を愛する若者達により灯がともされました。同じようにこの福岡の地においても、1953年2月4日、戦後の経済復興を目指して福岡の明るい未来を実現するために50人の青年が立ち上がり、福岡青年会議所が創立されたのです。それからの福岡青年会議所の運動は、先輩方の熱い情熱と努力の結晶によって、この福岡のまちづくりに大きな影響を与えてきました。そしてその脈々と受け継がれた伝統は来年60周年を迎えるまでになりました。

翻って現在の社会情勢はどうでしょうか。私達と同じような青年の集まりであり、しかも専門性を持った団体や数多くのNPO団体が運動しています。また当たり前すぎて意識もしていなかった公益性が叫ばれる時代です。このような時代背景のもと、私達は今後どのような団体にならなければならないのか、どのような活動をしていかなければならないのかを再度検証する必要があります。これまでの59年間、福岡JCはその時代時代において、市民や行政の期待に応えてまいりました。その行動力は国内の、いや海外のJC関係者からも一目置かれる存在でもあります。私はこのような福岡JCの一員であることが純粋に嬉しく、誇りに思います。その誇りを感じさせてくれる福岡JCの歴史に、先人達に感謝の気持ちで一杯です。

歴史というものは、一年一年の積み重ねであり、その連続の中でしか生まれません。私達は、この歴史と伝統の連続性の中で絶えず成長し、活動していかなければなりません。伝統を大事にし、変えてはならない事は大切に守り、変革の能動者として変えるべきところは積極的に変えていく。しっかりと足元を見つめて新たな次代に向けての第一歩にしていきましょう。

BEING

JCの目的は、“明るい豊かな社会を築く”ことであります。そしてその社会を実現するために市民を牽引する“Leader”を育成する事がJCの本質ではないでしょうか。つまり、JCは自己開発や指導力を養成する機関であり、そこで学んだ事、蓄積した力を如何なく発揮し、運動を展開していく事が求められています。

これまでも福岡JCは様々な事業を展開してまいりました。社会奉仕活動、行政に対する提言、プロ野球・サッカーチーム誘致、そしてアジア太平洋こども会議など。私達JCが他の団体と違うのは、誰もが手をつけないことこそ我々が先んじてやらなければならないという精神であります。また強力なネットワーク力を駆使し、コーディネートすること、つまり協働していくためのLeadershipこそがJCの力なのです。

まずは、JAYCEE(JC)としての存在意義を確立し、“Leader”になることが重要です。そしてその意識と誇りを持って行動してまいりましょう。

DOING

JCが“Leader”を輩出し、“明るい豊かな社会を築く”ことを目的としているのであれば、どのような運動が求められているのかを常に考え、能動的に社会を変革していく運動を実践していかなければ何の説得力もありません。これまでも私達は、節目節目に数々の提言を行ってまいりました。それらの提言を絵に描いた餅に終わらせる事なく、実現に向けての行動を起こすこと、まさしく実践力が私達の存在意義であります。

ここ数年、事業を展開する中で地場企業のみならず全国規模の企業からの様々なご協力ご支援を頂いております。これは、各企業においても利益追求だけでなく、「地域発展のため」という公益な目的があるからこそ、私達の運動に理解を頂いていると考えます。そして共に地域のために運動していこうという事であれば、単に金銭的・物質的に甘えるだけでなく、立場の異なる組織や団体が明確な目的のもとに、それぞれの得意分野を活かしながら連携し、協力し合うという真の意味でのPartnershipが必要です。

また、これまで単なる一方的な情報の発信のみに終わっていたような気がしますが、本気で行動を起こそうとするならば、より効果的な情報発信が必要になります。JCが本気でまちづくりを行っている団体であると認知してもらい、市民に対して有益な情報をどれだけもたらす事が出来るのか、という観点からも情報発信を強化することが必要です。その上で、私達自らが発信したことへの責任と成果が求められる時代だと思います。本気でまちを変えていこうではありませんか。

魅力的なまちFUKUOKA

近年、アジアが一つのキーワードであります。アジアの拠点都市を目指していくためには、“人”が集まらなければ、拠点都市とは言えません。“人が集まる”という観点から福岡を考えてみましょう。福岡は都市機能が充実しており、自然も近く、住居などの物価も安いために住みやすい都市と言われております。また、どんたく・博多祇園山笠に代表される祭りや私達福岡JCが新たなコンテンツとして創造した“NAKASU JAZZ”など、多くのイベントも開催されております。スポーツに目を向ければ、野球・サッカー・ラグビー・バスケットのプロ組織があり、大相撲そして国際マラソンがある都市は、日本の中でも東京・大阪・名古屋そして福岡だけなのです。さらには、玄界灘の新鮮な魚介類を堪能でき、もつ鍋やラーメン、そして全国でもこのように店が連なっているのは珍しい屋台など。私達は、このように住環境が整い、スポーツ、文化、食といった様々な分野での楽しみ方が出来るFUKUOKAのまちの魅力を発信していかなければなりません。そのためにも、私達市民がこのまちの魅力を再確認することが重要です。その上で九州に、更にはアジアへどのように発信していくべきなのか、展開すべきかをしっかりと考えてまいりましょう。

次代への教育

近年の詰め込み教育への批判に始まり、ゆとり教育へと移行し、更にはそのゆとり教育が日本人学力低下の原因と批判される始末。社会と個人とを対立するものとし、子どもの権利のみを主張し、本質から外れたところでクレームをつけるモンスターペアレントと呼ばれる親の出現。そんな親達に対して何もできない教育者。一体、現代の公教育はどうなっているのかと考える人は少なくないはずです。過去に対して、盲目的に賛美するつもりはありませんが、日本人としての美学や慣習・規範といったものを歴史に学び、伝えていくことは大切な事だと思います。私達JC世代は親世代であります。親である私達は、率先して明日の日本を担う子ども達に対する教育に対して関心を持ち、行動する責任があるのです。

機会と感謝

JCにはあらゆる機会が存在しています。その機会を与えてくれるのは、先輩であり仲間であります。時には励まし、時には叱られ、引っ張られながら、背中を押されながら、私達は今より少しでも良くなろうと前に進んでいくのです。

ここで是非、“機会”ということを考えたいと思います。一人ひとりが機会を得て、自己を成長させ、また他者に機会を与え、成長させる。このサイクルが機能することにより、自ずと組織は活性化し成長するはずです。これは、組織内だけではなく会員拡大という観点から考えてみても同様の事が言えます。“我がまちのために!”という想いを持ったメンバーが多い程、より大きな運動が展開できます。もっと簡単に言えば、より多くの市民がそんな想いを形にする事が出来れば、世界でもっとも幸せなまちとなるはずです。このような好循環を常に意識していきましょう。

2012年度は、14年ぶりに日本JCの副会頭を輩出致します。例年以上に、日本・地区・ブロックが身近に感じられる絶好のチャンスが来たのです。福岡というエリアを一歩出ると、自分の想像以上の世界があるはずです。少しだけ無理をして自分の見識を広げる機会を活かしていきましょう。

そして忘れてはならないのが、JCに送り出してくれる会社の上司や同僚であり、家族であります。JCというフィールドで活動させて頂いてる私達は、会社や家族に対する感謝の念を忘れてはなりません。そして「JCに入会させてよかった」「入会してよかった」という成果や実感がなければやっている意味がありません。そしてJC活動をすればするほど、身近にいる家族や会社を幸せにしなければなりませんし、自分の身近な周りを変える、つまり幸せにする事が出来なければ、地域や国や世界を変える事などできません。感謝を原動力にし、責任と自覚を持ち実行力を持って行動していきましょう。

さいごに

私達の目の前には、ありとあらゆる問題が山積みになっております。誰の責任なのでしょうか。この社会を構成しているのは、私達一人ひとりです。つまり、この現代社会の責任の一端は私達にもあります。政治が、システムがと叫んでも何の解決にもなりません。他の誰かがするのを期待していないでしょうか。私達はJAYCEEです。私達一人ひとりが価値ある存在となり、誇れる集団になろうではありませんか。

この福岡JCは私達一人ひとりが創っていくものであり、私達一人ひとりが福岡JCそのものなのです。